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2007/07/13
BON JOVI / LOST HIGHWAY

BON JOVI / LOST HIGHWAY

 アメリカン・ロックの重鎮BON JOVIの最新10thアルバム。カントリー・アルバムになるという触れ込みだったが、実際には楽器などのテイストを取り入れるに止まっていて、全体的に軽快なタッチであるものの、いつものBON JOVIサウンドが満載の仕上がり。

 この作品を聴いて抱いた率直な感想は、久しぶりに故郷に帰ってきたときみたいな感じだな、といったものだった。

 たとえば、Jonの歌声を聴くと安心する。この安心感は、思い出と変わらない町並みを久しぶりに見たときの安堵感と、よく似ている。でも、聴いているうちに、以前との違いに気がつく。高音域が苦しそうだなとか、尖った感じがなくなった代わりに渋みが出てきたなとか。馴染みの定食屋がいつの間にか店仕舞いしていたことに一抹の寂しさを感じたり、駅前にお店が増えて賑やかになったことなどに一喜一憂するように。

 それでも、故郷は根本的に変わりなく、根底に流れる町を愛する気持ちは揺るがない。前とはちょっと違うけど、大好きないつものBON JOVI。BON JOVIが入り口となって洋楽に興味を持つようになった自分にとって、このバンドはまさに故郷そのもの。

 故郷の特産品が不味いはずもなく、愛聴している。

2006/09/18
BOYS LIKE GIRLS / S.T.

BOYS LIKE GIRLS / S.T.

 QUIETDRIVEを輩出したRED INKが新たに送り出した期待のバンド、BOYS LIKE GIRLSのデビュー・アルバム。プロデューサーは、PANIC! AT THE DISCOやHIT THE LIGHTSなどを手がけている敏腕、Matt Squire。

 バンド名からは、ちょっとナヨッとした情けない音を連想しがちだが、確かに勇壮なカッコ良さこそないものの、目くるめく快感を伴って盛り上がってくるポップなメロディは素晴らしく、バンドの才能の豊かさを確信させるに充分。

 系統としては、SIMPLE PLANやTHE ALL-AMERICAN REJECTSなどに近いかな。パンクやエモのテイストが入った爽やかなポップ・ロックはすこぶるキャッチーで、この手の音が好きな人には堪らない魅力がある。

Favorite tracks

  • "The great escape"
     どこまでも駆け上っていくかのような爽快メロディが素晴らしく気持ち良い。オープニングを飾るに相応しい名曲。
  • "Five minutes to midnight"
     転調でタメてサビで心地良く弾けるという、ポップ・ロックのお手本のような展開が見事な一曲。夜中にこの曲を口ずさみながらドライヴしたら、最高な気分に浸れるに違いない。
  • "Hero/heroine"
     高揚感が気持ち良いメロディックな曲。大胆な転調がドラマティック。
  • "Thunder"
     アコギをフィーチャーして、シンプルに暖かみのあるメロディを聴かせるバラード。情感の高ぶりが心を揺さぶる。素晴らしい。
  • "Me,you and my medication"
     これも、大胆な転調がメリハリになっているメロディックな曲。スケールの大きいサビメロが出色。
  • "Up against the wall"
     疾走感が心地良いシリアルな歌い出しから、ポップなサビメロに流れる展開が面白い曲。
  • "Dance hall drug"
     どことなくロックンロールしている曲調が面白い。ノリノリなメロディが気持ち良い曲。
  • "Broken man"
     スケールの大きいメロディがエモーショナルな極上バラード。と思いきや、畳み掛けるようなカッコ良いブリッジが挿入されていたり、終盤テンポ・アップしたりと、怒涛の展開を見せる。名曲!
  • "Holiday"
     豪快な歌いっぷりが気持ち良いバラード。この作品の締めにはちょっと大人しいような気もするが、切ないメロディが胸を打つ佳曲。
2006/03/15
BO BICE / THE REAL THING

BO BICE / THE REAL THING

 アイドル発掘オーディション番組American Idolの第4シーズン準優勝者、Bo Biceのデビュー・アルバム。ジャケットを見れば分かるように、顔立ちは整っているのだが髭を生やしていて、アイドルにはちょっと見えない。ワイルドな風貌が型破りで面白い。

 丁寧にメロディを歌い上げながら、胸が熱くなるようなソウルを感じさせる歌唱力も素晴らしい。アメリカン・ロックの素晴らしさを再確認させてくれるような楽曲との相性もピッタリで、味わい深く聴き応えも充分。プロデューサーが、このシンガーの魅力をよく分かっているのだろう。いかにもアイドルといった軽いノリがない。

 サポートも超豪華。Clif MagnessやJohn Shanks、Max Martinによるプロデュース、BON JOVIやSR-71からの楽曲提供や演奏への参加など、といった具合で至れり尽くせり。

 伸びやかな歌い出しから韻を踏んだサビで盛り上がるポップ・ロック"The real thing"、唸るようなハードなギター・サウンドがカッコ良いアメリカン・ロック"U make me better"、BON JOVI提供のスケールの大きいアメリカン・ロック"Nothing without you"、心からの愛を情感を込めて歌い上げるSR-71の超名バラード"My world"、ちょっと暗めのイントロから切ないサビに盛り上がる"Lie...it's alright"、力強く前向きなロック・アンセム"It's my life"、渋い泣きメロとソウルフルな歌唱が絶品なバラード"Willing to try"などが特に好き。

 アイドルのアルバムというと、色々なタイプの楽曲が贅沢に詰め込まれている一方で、統一感に欠ける物が少なくない印象がある。しかし、このアルバムはアメリカン・ロックに的を絞り、Bo Biceというシンガーの魅力を深く掘り下げている。プロデューサーの思惑と素材の持ち味が一致した見事な作品。