東野圭吾『時生』
- 2005/08/22
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本格ミステリはもちろん、冒険小説からSFファンタジー、青春ミステリやパロディに爆笑エッセイと、幅広い作風でファンを魅了する人気作家、東野圭吾の感動ファンタジー大作。
病室で死に瀕している青年、時生。それを見守る両親、宮本拓実と麗子。刻一刻と、時生に最期の時が訪れつつあるその時、拓実は妻に20年以上前に出会ったある青年との思い出を語り始める。堪え性がなく責任を転嫁しては衝突し仕事を転々としていた拓実は、ある日時生と名乗るどこか不思議な少年と出会う。時を同じくして、当時の恋人、千鶴が置き手紙を残して失踪する。納得がいかない拓実は、時生と共にその行方を追った。
拓実が語る過去は、藤原伊織流ハードボイルド冒険譚へのオマージュ風。ちょっと白髭の冒険っぽいかな。時生との冒険を通して成長していく拓実の姿は、そのあまりのガキっぷりにイライラする一方どこか微笑ましくもあって、そっと見守りたくなる。
ただ、語る必要があるかといえば疑問だし、感動ストーリーとの整合性が取れていないような気もするのだが、それでも一気に読ませる面白さ。サイド・ストーリーの積み重ねでじわじわと感情を高ぶらせ、ある一言で胸に迫る感動を結実させて背筋をゾクゾクさせたり目頭を熱くさせるのは、東野圭吾ならでは。
全然似てないんだけど、『秘密』の姉妹作という見方も出来るかもしれない。ボロ泣きとまではいかないが、じわっと目頭が熱くなる。素直に読めば、作者の術中に嵌って泣かされること間違いなし。
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